サ高住が満床にならない理由と老人ホームでの土地活用のポイント

お世話になっております。ふふぷらすの佐々木です。

少子高齢化の急速な進行や住宅の過剰ストックなど賃貸経営を取り巻く環境は大きく変化しています。

これまでアパート・マンション経営を提案してきた大手建設会社、ハウスメーカーも老人ホームや介護施設をはじめとする福祉施設での土地活用を土地オーナー様への新たな提案材料として力を入れ始めています。


“需要が高まる福祉建築で土地活用しませんか?”

”土地活用なら地域貢献もできる福祉施設がおすすめです。”

“福祉施設による土地活用で社会貢献と安定収益を!!”


こんなフレーズの広告を目にしたことのある地主様も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

実際、日本では今後20年以上にわたって高齢者の数が増加すると言われており、同時に要介護認定者(介護が必要であると認定された人)がますます増加することが予想されています。

高齢者が介護が必要になっても住み続けられる環境の整備が求められている今、福祉施設での土地活用は、市場的に見てもとても理にかなった提案と言えます。

しかし、介護需要の増加を受けて老人ホームなどの高齢者向け施設の数も、増加傾向にあり、地域によっては老人ホーム同士の入居者争奪戦が激化し、入居者が集まらない施設も出てきているのも事実です。

土地活用として老人ホームを建てたはいいけれど入居者が集まらず、閑古鳥が鳴いているような状態では、相続の際、次世代の子供たちに資産どころか負担を押しつけてしまうことにもなりかねません。

そこで本日は、福祉施設・老人ホーム経営、特に「将来子供が収入得られる土地活用」を検討されている土地オーナー様に絶対に知っていただきたい「注意点」をお伝えしたいと思います。

「需要がある」イコール「事業性がある」ではありません

建築業者は、建築受注を獲得ことが一番の目的です。

まず当然の話ですが福祉施設での土地活用を提案する大手建設会社、ハウスメーカーの一番の目的は、建築受注を獲得することになります。

少し前の話になりますが、アパート経営に代わる土地活用として建設会社が「サービス付き高齢者向け住宅(以下サ高住)」を建てませんかと土地オーナー様に盛んに提案していた時期がありました。

サ高住とは、「安否確認」と「生活相談」のサービスを受けられるバリアフリーが完備された高齢者向け賃貸住宅ですが、施設の開設において税制上の優遇措置や補助金の制度が非常に充実しています。

当時は、新築の場合、建設費の10分の1、一戸あたり100万円を助成、固定資産税を5年間税額3分の2に軽減、不動産取得税を家屋課税標準から一戸あたり1200万円控除、低金利の融資を用意するなどかなり手厚いものでした。

ちなみにサ高住には規模や設備などに登録基準が厳格に定められいるため、建築費用が通常の有料老人ホームなどと比べ建築費用がかなり高額(居室20室で約2億円前後)になります。

国が後押しする事業であり、社会貢献性もあることから多くのハウスメーカー、建設会社が新しいビジネスチャンスと土地オーナー様にサ高住を提案、多くの施設が全国で立ち上がりました。

サ高住が満床にならない理由

しかし建物は、建設できても実際に施設を経営していくというのは決して簡単ではありません。

地域やエリアによっては飽和状態にあるサ高住の多くは入居者集めに苦戦しているのが現状です。

特に所得が低い高齢者が拡大傾向にある日本おいては、高級な有料老人ホームよりも、特別養護老人ホームと変わらない水準の出費で入ることができる老人ホームに人気が集中しています。

サ高住は、(建築コストが高いことなどから)一般的な賃貸住宅よりも高い家賃設定にせざるを得ないことから入居者獲得の競争力が弱く、7割程度しか入居が埋まらない施設も多く存在しています。

しかもサ高住は、もともと比較的介護度の軽い方を想定した施設であることから、介護度が重度化したり、医療依存度が高くなると、他の施設に移動してしまうなど入居率の維持が難しいという側面もあります。

また入居率を上げるためにやむを得ず(サ高住の)本来の入居対象者ではない認知症高齢者を受け入れる施設も近年増加傾向にあります。

しかし認知症高齢者に対するケア体制や設備が十分に備わっていないことから他の入居者とのトラブルや部屋の設備の破壊、水漏れなど問題も引き起こっています。

認知症の入居者により破壊されたサ高住のトイレ

認知症の入居者により破壊されたサ高住の室内設備

(※認知症の入居者により破壊されたサ高住の室内設備)

補助金目当てで需給やニーズを無視した建設が増えた結果、入居者確保に苦しむ施設が相次ぎ 経営が立ち行かなくなるケースが全国的に多く発生しているのがサ高住の実情です。

需要・ニーズがあるということと、事業性がある・事業として成立するということは基本的に違うということをお分かりいただけたと思います。

老人ホームでの土地活用に関心にある方は、一度見学されることをお勧めします。

先の見えない時代だからこそ、市場に潜在的ニーズがあること、安定した収益の予測が付く土地活用が求められています。

目先の利回りだけでなく、リスクを回避し、20年先にも入居者に選ばれる“価値”を考える、それが次世代に引き付ける安定的な土地活用を可能にします。

建設会社やハウスメーカーに提案されるがままでなく、テナントの介護事業者やフランチャイズ本部が実際に運営している老人ホームを見学されることをお勧めします。

どのような方が入居されているのか、どのような食事を出しているのか、スタッフの対応、施設の中の雰囲気など老人ホーム経営とはどんなものか具体的なイメージがつかめると思います。

私たちケアリーの直営施設への見学会も随時行っておりますので実際の老人ホームを見てみたいと思われる土地オーナー様は、お気軽にお問合せください。

さいごに

いかがだったでしょうか。

老人ホームによる土地活用は、需要だけでなく、今後の世の中のニーズにあった施設であるかどうかが長期間安定的な収入を得るための大きなポイントとなります。

次回は、「今後世の中から求められる福祉施設とは何か」をテーマにお伝えさせていただきたいと思います。


ケアリーでは、土地オーナー様、地主様に長期的に安定した老人ホームによる土地活用~賃貸経営をおこなっていただくために土地の調査から融資の相談、ケアリーFC加盟の有料な介護事業者の紹介、万が一があった時の家賃保証制度等、トータルにバックアップさせていただきます。

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